根管治療は、歯の中の神経の管を綺麗に洗浄する治療です。
つまり、ミクロン単位の治療になります。
ミクロン単位の世界で治療精度を高めるため当院では「マイクロスコープ」を利用します。歯科用顕微鏡とも呼ばれる装置で、肉眼よりも何十倍も拡大した視野を獲得できます。
下の画像をご覧ください。
「同じ部位」を肉眼とマイクロスコープで見た際の視野の比較になります。
どちらの方が精度の高い治療ができるかは一目瞭然ですね。
マイクロスコープを利用することで、従来と比較し下記の違いが生まれます。
「見える化」とは見えない部分を鮮明に見えるようにすることです。
具体的には「レントゲン」ですね。
一般的には「2次元」のレントゲンを利用し診断が行われています。これで問題ないこともありますが、もう1つ上の「3次元」で撮影することでより詳細な診断が可能になります。
3次元で撮影する機器を「CT」と言います。
下の画像をご覧ください。
この画像は同じ部位をCT(左)とレントゲン(右)で撮影したものになります。
「右の画像」ですが、丸を付けた部分に黒い影がないと思います。
実は、黒い影は問題が発生している部位です。
つまり、レントゲンだけで診断した場合は、「問題ない」と判断してしまうため治療は行われません。そうなると、この歯は徐々に悪化し、最終的には抜歯の運命をたどっていたでしょう。
このようなことを回避するため、当院ではCT撮影を実施しています。
お口の中にはたくさんの細菌が住み着いています。
その細菌が治療部位に入り込むことで、再発のリスクが高まりますので、いかに「無菌状態」で治療ができるかがカギになります。当院の取り組みをご紹介します。
ラバーダムとは治療部位に唾液が入り込むことを防ぐ道具です。根管治療を成功させるためには必須の道具となります。
しかし、日本でラバーダムを利用している歯科医院は1%もないと言われています。
普及していない理由はここでは割愛しますが、日本で行う根管治療の成功率が低い大きな理由はここにあります。
当院で行う根管治療では「必ず」ラバーダムを使用します。
根管治療ではMTAセメントというもの利用することがあります。
殺菌効果がある他、歯を再石灰化させる再生効果もあるため、他院で抜歯と言われてしまうケースでもMTAセメントを利用することで抜歯を回避できる事があります。
歯の根の治療後は、被せ物をして治療終了となります。
被せ物には「精度の高い被せ物(自費)」と「精度の低い被せ物(保険)」の2つがあります。
どれを選択するかで成功率が変わることがあります。
下の表をご覧ください。
「根管治療」の精度と、治療後に装着する「被せ物」の精度による成功率の違いです。
「根管治療」の精度 | 「被せ物」の精度 | 成功率 | |
---|---|---|---|
パターン① | 〇高い精密度 | 〇自費 | 91.4% |
パターン② | △中度の精密度 | 〇自費 | 67.6% |
パターン③ | 〇高い精密度 | ×保険 | 44.1% |
パターン④ | ×低い精密度 | ×保険 | 18.1% |
端的にお伝えすると、「精度の高い根管治療」と「精度の高い被せ物」を選択することで、根管治療の成功率(パターン①)は90%を超えることができますが、どちらの精度も低い場合(パターン④)の成功率は18%となります。
被せ物の精度が低いと、なぜ成功率が下がるの??
このように感じられるかと思います。
簡単に説明すると、被せ物の精度が低いと、歯と被せ物の隙間から細菌が侵入し、根管内で再感染が生じる可能性が高まるためです。
つまり、成功率を高めるためには「精度の高い根管治療」だけでなく「被せ物の精度」も高めなければならないのです。
根管治療を検討されている方に1つお伝えしたいことがあります。
それは、「最初の治療」、つまり1回目の根管治療をどのように行うかで、歯の寿命は変わってくるという事。
これは、2回目以降の根管治療の成功率は大幅に下がるという統計が出ているためです。
再治療での成功率は、かなり低いです。
そして、その再治療に失敗してしまうと多くが抜歯になってしまいます。
この事実をご存じの患者さんはほとんどいないと思います。
失った歯は二度と戻ってきません。
あなたの歯を大切に考える歯科医院での治療をお勧めします。
当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私達にお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。