2020年05月21日
こんにちは、歯科医師の菅原です。
めっきり暖かくなってきましたね。
今回のテーマは検査と歯周病の治療についてです。
以前似たようなことをコラムに書きましたが、大切なことなのでまた皆さんで再確認して下さいね。
当院に通院していただく患者さんにはまず菌がどこに住んでいるか調べます。
これが検査です。
歯周病は皆さん重度や軽度の違いはあれど、大体の人が感染しています。
歯周病に感染すると歯周ポケットと言われる、歯と歯茎の溝が大きくなります。
なぜ、溝が大きくなるのかですが、それは炎症によって歯茎が腫れたり、顎の骨が解けたりして溝が大きくなります。
溝が大きくなると、そこに菌が住み始めます。
そこに住んでいる菌は患者さんのブラッシングだけでは除去できなくなります。
ここが重要です。
こうなると歯周病の悪化やいくらむし歯を治しても虫歯になったりします。
一度溝が深くなるとそこにいる菌をしっかり清掃しなければ溝が小さくなることはありません。
なのでそうなると歯科院に通って歯茎の溝の汚れを取らなければならなくなります。
これが歯周病の治療になります。
歯茎の中に隠れている菌は歯石や汚れの塊を作って取りづらくなるので、衛生士さんガリガリやって取ってもらいます。
すると菌の量が減って、あとは自分の免疫で治って行きます。
要するに、菌が隠れている場所を探す→隠れている所の菌を減らす。
これを繰り返すことが、歯周治療です。
なので定期的に検査をしなけれればならず、その値に対して治療を行わなければなりません。
また歯周病には完治という完全に治ることはありません。
糖尿病や高血圧の様に常にコントロールするしかありません。
なのでしっかり年に数回通院してコントロールしましょう。
定期的に通って下さいと患者さんに言う理由はここにあります。
理解して頂けましたか?
何か質問があれば当院の歯科医師、スタッフに遠慮なくしてください。
2020年05月15日
こんにちは、歯科医師の鈴木です。
新型ウイルスによる自粛生活の中みなさんいかがお過ごしでしょうか。
早く外で思いっきり楽しめる日々を取り戻したいですね!!
さて、本日はそんな新型ウイルスに負けないくらい本当は怖い
『誤嚥性肺炎』
についてお話しします。
誤嚥とは、食べ物や唾液などが、本来は食道を通って胃へと入っていくところを、誤って食道ではなく気道に入ってしまうことを指します。
そして、その誤嚥により、バイ菌や雑菌などが肺へ入ってしまい引き起こしてしまう病気を誤嚥性肺炎と呼んでいます。
肺炎は日本人の死亡原因のトップ3に入ることは有名ですが、80歳以上の高齢者が引き起こす肺炎の約9割以上はこの誤嚥性肺炎だと言われています。
その理由としては、高齢者は嚥下機能(飲み込み)が低下し、誤嚥の確率が上がってしまうこと、そして免疫力の低下によって誤嚥した場合にそのまま誤嚥性肺炎を罹患してしまう可能性が非常に高いことが挙げられます。
では、どうしたら予防できるのか。
嚥下機能の低下による誤嚥については、訪問歯科などで嚥下機能の評価や訓練を行い、またその人の嚥下機能の状態に合わせた適切な食形態(通常食、刻み、ペーストなど)で食事を行うことが大切です。
免疫力の低下については、お口の中を日頃から清潔に保つことが何より大切です。お口の中が清潔に保たれていれば、万が一誤嚥をしてしまった場合でも、肺へ感染する可能性も低くなります。
ご自身で歯磨きや口腔ケアができない高齢の方の場合は、介助されている方がしっかりと毎日口腔ケアを行うことがとても大切です。
正しい食形態?
嚥下機能の評価?
口腔ケアの介助?
など、お口の中をキレイにした方がいいのは分かっているけど、具体的にどうしたら良いか分からない方も多くいらっしゃると思います。
尾島デンタルクリニックでは、こういった食形態の相談や口腔ケアのやり方の指導、歯科衛生士によるプロの口腔ケアを行なっています。
新型ウイルスで命の危険を感じて過ごす中、お口の中を清潔にすることはその予防の第一歩です。歯科医院になかなか歯科医院に通えない方やそのご家族の方、一緒にこの危機を乗り越えていきましょう!
訪問歯科についてのご相談など、ぜひ気軽にお問い合わせください。
2020年05月9日
こんにちは、歯科医師の嶋崎です。
だんだんとあったかくなってきましたが、まだ朝晩は冷えますね。
体調を崩さないように注意しましょう。
さて、今回は子供のむし歯予防に使われるシーラントについてお話したいと思います。
シーラントは、奥歯の溝を塞ぐことでむし歯を防ぎます。
乳歯の奥歯や生えたての永久歯の奥歯は背が低く、磨きにくいためむし歯になりやすいのです。
そこで、奥歯の溝をあらかじめ埋めておくことで、むし歯が発生進行するのを予防することができます。
シーラントには、フッ素含有の樹脂(プラスチック)が用いられます。
この材料から、お口のなか全体にフッ素がだんだんと広がっていくのとともに、歯磨き粉の中に含まれるフッ素をシーラントが取り込み、むし歯を予防することができます。
シーラントは歯を削る必要がなく、歯の表面を磨いた後に、材料で溝を埋めて、光で固めておしまいです。
ただ、シーラントをしたからといって、むし歯にならないわけではありません。
歯磨きをきちんとしないと、溝ではなく、歯と歯の間や歯と歯茎の境目がむし歯になってしまうので、毎日仕上げ磨きをしましょう。
また、シーラントは永久的に持つものではなく、かけたり、取れたりすることもあります。
そのかけた部分からむし歯になることもあるので、シーラントの状態がどうなっているか定期的に確認する必要があります。
お子さんが何でも美味しく食べられるように、お口の中を一緒に守っていきましょう!
2020年05月4日
こんにちは、歯科医師の平形です。
コロナウイルスだけでなく、年度始まりで、お仕事なさっている方はお忙しい時期かと思います。
歯科医院も例外ではなく、4月からの新しい仲間も受け入れて教育などのため、みんなで準備しているところです。
先日、患者さんから「花粉症で歯が痛くなるなることはある?」というご質問を頂きました。
花粉症の全ての方に症状が出るわけではありませんが、間接的には影響があるとお答えしました。
実は頭の骨、頭蓋骨にはいくつか空洞が空いており、その中の1つに副鼻腔と言われる場所があります。ここは鼻詰まりなどが長期化すると炎症がおこり、「副鼻腔炎」に発展することもあります。
所謂、蓄膿症ですね。
副鼻腔は上の奥歯の辺りにあるので、炎症が起こるとそのあたりにお痛みを感じる人がいらっしゃいます。
もし心配な方がいらっしゃいましたら、いつでも相談してくださいね。
これからも分かる様に、お口の中と鼻は密接です。どちらかの汚れは、お互いに影響します。お口やお鼻は身体への入り口ですので、いつも清潔に保つことが大切です。
世はコロナをはじめ、イルフルエンザなど感染症が流行しています。
院内では、”POIC”という次亜塩素酸水でのうがいをおススメしています。まずはウイルスを体内に入れない様に、入り口でブロックすることが重要です。
院内にはテスターもありますし、詳しいお話はスタッフに声かけてみて下さいね。
大変な時期ではありますが、皆さんが健康で乗り切れる様に、我々もサポートしてまいります!
2020年04月24日
こんにちは、歯科医師の今野です。
だんだんと春らしくなってきましたが、今は帰省なども自粛する時期なので、地元がかえって恋しくなってしまう今日この頃です。
さて、以前は地元に帰ると、友人から歯科治療のことを聞かれることがあります。
日頃から患者さんにも聞かれるようなこともあれば、意外な疑問を投げかけられることもあり、新鮮な気持ちになります。
例えば、好奇心旺盛な幼馴染からの疑問。
「歯医者さんで細いネジみたいなのを入れて、ピッピッピッ、っていうの、あれ何してるの?」
根っこの治療のことか、とすぐピンときました。
むし歯が神経に達するほど深かった時や、歯の神経が死んでしまって歯の根っこの先に膿が溜まっているような時、「根管治療」と呼ばれる歯の根っこの治療を行います。
歯の根の中には神経や血管が通る細い管が通っています。
その管の中が細菌感染してしまっていると歯痛の原因になるので、根の管の中を物理的・化学的に清掃する必要があります。その物理的な清掃に用いられるのが友人の言っている細いネジのような、針のような器具です。
その器具を根の先まで入れて根の管の中の汚れをかき出すのですが、治療の時、目に見えているのは管の入り口だけで、骨に埋まっている根の先までは見えません。
そこで、治療を助けてくれるのが「ピッピッピ」となる機械です。
その機械が、今、治療器具が根の管の中のどの程度の深さにあるのか音を出して知らせてくれます。そのおかげで目には見えない根の先まで過不足なく清掃することができるのです。
何回も回数がかかる根管治療は、嫌いな方も多いかと思いますが、歯の痛みを繰り返さないためにはとても大切な治療です。
みなさんの大切な歯のために、一緒に頑張っていきましょう。
2020年04月14日
感染予防対策について
こんにちは、歯科医師の林崎です。
本日は世の中が新型コロナウイルスで一色になっているなかで感染予防についての話をさせていただきます。
歯科医院の感染対策も注目されていますが、尾島デンタルクリニックは以前よりスタンダードプリコーションとしての取り組みをしてまいりました。
スタンダードプリコーションとは
「すべての患者さんが何らかの感染を持っているかもしれない」
と考え、滅菌体制を整えていくことです。
これは今までのウイルスはもちろん、新型コロナウイルスに対してもです。
もちろん、今回の新型コロナウイルスに対する取り組みとして、換気や飛沫対策などは更にレベルを上げて対応しております。
このコロナウィルスについては、終息宣言が出てくるのに時間はかかってくるでしょうが、治療はもちろん、メインテナンスなども全て先延ばしにしてしまうことは、若干危険ではないかと当院では考えています。
お口の状態によっては先延ばしに出来ない治療も多くあります。
また、痛みが出てきてしまったときには、その痛みに耐えながら、鎮痛剤のみに頼ることになるでしょう。
メインテナンスを行わず、口腔内の環境が悪化した場合には、もしも、コロナウィルスに感染し、人工呼吸器を使わなくてはいけなくなるときに、肺炎のリスクがさらに高くなってしまいます。
口腔ケアをしっかりと行うことで、インフルエンザの罹患率が下がることは広く知られていますが、コロナウイルスに対しても口腔内の環境が悪化して、免疫力が下がることはリスクが高いと感じています。
電車などの通院方法などにてリスクがある場合はどうしようもありませんが、当院の通われている方のほとんどは車で来られます。
可能であれば、メンテナンスは通える限りには行っておいた方が良い場合もあると言うことは、頭の片隅においておいていた方が良いように思います。
もちろん、今すぐではなくても来月などにご自身でそろそろという時期で構いません。
当院では、待合室やカウンセリングなども可能な限りリスクを下げるために、日々院内の感染対策をアップデートしております。
ご不明な点は遠慮なくお聞きください。
2020年04月8日
歯科医師の鈴木です。
こんにちは
毎日寒い日が続いていますが、コロナウイルスも心配なので、風邪など体調管理もしっかりしたい時期ですね。
さて、本日みなさんにお話したいことは、
『みなさんはむし歯が出来た時どうしますか?』
です。
何を言ってるんだと思われるかもしれませんね。笑
当然多くの人が歯科医院に行ってむし歯を治してもらうと答えると思います。
それは正解です。
まず早めに歯科医院へ相談することはとても大切です。
本日私がお話したいのはその先です。
むし歯が出来てしまって、むし歯を治してもらったとして、その歯はもうむし歯にならないのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
その後もきちんと管理していかないとまたむし歯になってしまいます。
そのためには、定期的に歯科医院に通ってメインテナンス・管理をしていくことが大切です。
これも正解です。
しかし、これ以上に大切なことがあります。
それは、ご自身でどこまでやれるかということです。
むし歯が出来てしまった原因は人それぞれ異なります。むし歯を治してもらったとしても、それまでと同じ生活を続けていけば、当然またむし歯になってしまいます。
具体的に例をあげると、
・歯磨きをほとんどしていない人
→歯磨きをしっかりする生活に変える
・歯磨きをしているけど磨き方が悪い人
→正しい歯磨きの方法を身につける
・間食が多い人
→間食を減らす、甘いものを控える
など、どうしてむし歯になってしまったのか?ということを考え、そこに対して何か改善をしていかないと、再びむし歯は出来てしまいます。
そして、何度も治療を繰り返すうちに、歯を削り、神経をとり、歯を抜かなくてはいけない、といったようにお口の中はどんどん悪い状態になってしまいます。
むし歯だけでなく、歯周病も同じです。
『歯科医院でのメンテナンス』
『ご家庭でのご自身の生活習慣の改善やセルフケア』
この両方をきちんと行うことが大切です。
どちらかだけを行うだけでは十分な効果は得られません。
3ヶ月に一度歯科医院でメンテナンスを行ったとしても、それは90日に1回のメンテナンスです。90日中の残りの89日は、みなさん自身の手にかかっています。
みなさんのお口の中の治療はもちろんのこと、みなさんの生活習慣の改善などもサポートしていければと思いますので、お口の中だけでなく食事の相談など、何か疑問なことがあればお気軽に相談ください。
2020年03月29日
こんにちは、歯科医師の伊藤です。
世の中は新型ウィルスで大変ですが、皆様体調は崩されていないでしょうか?
手洗いやうがい、換気などは十分に気をつけて感染対策を行っていきましょう。
さて、今回は前歯のマウスピース矯正についてお話したいと思います。
前歯のマウスピース矯正は全体の矯正と比べて何が違うのか?という点についてお話します。
まず一つ目は「費用が圧倒的に安い」という点です。
実は、歯並びによっては前歯の部分的な矯正のみで解決できてしまう場合も多々あります。
そのような場合には、前歯のみに適応できる矯正治療を選択することで費用を抑えながら綺麗な歯並びを得ることができます。
次に「治療期間が短い」という点です。
前歯の矯正は半年ほどで終わることが多く、短い場合は3~4か月で終了します。この短さなら矯正治療にも耐えられるという方もたくさんいます。短さに驚かれる方もたくさんいます。
次に「歯を抜く必要が無い」という点です。
前歯のマウスピース矯正は歯を抜くことは行いません。歯を抜かずに治療を終えられることもメリットです。
お口の状況によっては前歯の矯正ができないこともあるのですが、前歯の歯並びで悩んでいる方や相談したい方はぜひ一度ご相談ください。
当院には相談だけでの方も数多くいらっしゃていますので、ご安心ください。
2020年03月25日
こんにちは、歯科医師の平形です。
先日、1年間通っていた摂食嚥下の勉強会を無事に終えました。
接触嚥下とは?と思われる方も多いと思いますが、簡単にお話すると、「飲み込む能力」です。単に飲み込むということは喉の仕事ではなく、まず食べ物を脳で認識して、お口に運び、それを噛み砕き、ゴクンと飲む…それにはたくさんの神経が働き、筋肉が動きます。
飲み込むためには無意識の中で、健康に反射が起こることがすごく大切なってきます。
それに含めて、お食事の形態がご本人に合っているのか?お薬の影響はないか?栄養は満たされているか?取りすぎていないか?など。
このように、我々歯科医師が「飲み込む能力」を評価するとなると、その先まで判断する必要があるわけです。
こういう分野は、高齢化が進む日本において、歯科医師が向き合うべき問題だと考えています。
飲み込みにくくなるその前に、予防的にもトレーニングに取り組めたら、理想です。
ここまで、高齢者の飲み込みについてお話しましたが、この分野はお子さんにとっても考えるべき分野です。現代の食事は欧米化し、柔らかく、あまり噛まずに味がして、飲み込めるものが主流化しています。
そのため噛む筋肉、舌の筋肉、喉の筋肉が発達せず、飲み込む能力が育たず大人になってしまう子が増えているそうです。筋肉が育っていない子は、歯並びにも影響が見られます。
気になる方は、一度尾島デンタルクリニックで、「飲み込む能力」の検査・評価してみませんか?お口周りの筋肉のトレーニングを一緒にやってみましょう!

2020年03月20日
こんにちは、歯科医師の嶋崎です。
まだまだ寒い日が続きますね。
私は寒いと、すぐにお腹が痛くなってしまうので、いつもお腹にホッカイロを貼っています。みなさんも体調を崩さないように気をつけましょう。
さて、本日は、患者さんにたまに聞かれる歯ぎしりについてお話させていただきます。
歯ぎしりは、寝ている時に無意識に行っていることが多く、自分では自覚していない人が多いです。
朝起きた時に、頬の筋肉のあたりが疲れていたり、また家族に指摘されて気づくことが多いようです。
では、歯ぎしりはなぜ起こるのでしょうか。
歯ぎしりは、ストレス、遺伝、飲酒、喫煙、カフェイン摂取などが原因だと考えられています。
そして、歯ぎしりは眠りが浅い時に起こりやすいことが分かっています。ストレス、飲酒、喫煙、カフェイン摂取は、眠りを浅く原因に繋がります。
歯ぎしりによって、歯が磨り減ったり、折れてしまう可能性があります。
歯の冠の部分と根の部分に強い力がかかり、歯がくびれて知覚過敏を引き起こすこともあります。
また、歯や顎に強い負担がかかるため、歯周病や顎関節症を悪化させる可能性もあります。
歯ぎしりの改善方法としては、生活習慣を見直してみることやスプリント療法などがあります。
スプリントといわれる夜に装着するマウスピースを使用することで、歯や顎関節にかかる負担を減らすことができます。
歯ぎしりが気になる方や、ご家族に歯ぎしりをする方がいらっしゃいましたら、ご気軽にご相談ください。