意外と知られていない乳歯のあれこれ|太田市の小児歯科
2024年02月19日
こんにちは、歯科医師の大藤です。
突然ですが…だれしも子供のころは乳歯があり、ぐらぐらして抜けて、大人の歯に生え変わってきたと思います。
とはいえ、乳歯のころのこと、覚えていらっしゃいますか?
ご自身もあった経験のはずですが、お子様の乳歯のこと、わからないこと多いですよね。
今回は、意外と知らなれていない乳歯の特徴について、お伝えしようと思います。
乳歯は、番号でいうとABCDEの5番目まであり、上下左右合わせて20本生えます
(もともとない場合やくっついて生える場合もあります)。
生まれる前から顎の骨の中で歯のもとになるタマゴはできていますが、実際に生えてくるのは生後6か月ごろからです。
まず下の1番目の前歯(A)から生え始めます。
10か月ごろに上の前歯(A)が生え始め、1歳ごろには2番目の前歯(B)も出てきます。
1歳6か月ごろに前から4番目(D)の奥歯が生え、2歳ごろに3番目の前歯(C)、2歳6か月ごろに一番奥の歯(E)が生え、すべて生え揃います。
番号でいうと、A→B→D→C→Eが一般的な順番で生えます。
もちろん、順番や時期は個人差がありますので、必ずしもこの順序というわけではありません。
そして、4歳ころから乳歯の根っこが後ろにいる永久歯(大人の歯)に吸収され始め、6歳ころからグラグラし始め、生え変わりが始まります。
乳歯の特徴は、永久歯に比べて歯の長さが短いことや、青白い色をしていることなどがありますが、最も注意しないといけないことは、むし歯になりやすいこと、一度むし歯になると進行が速いことです。
乳歯は、歯を構成している層の厚みが薄く、歯の質自体の硬度が低い(脆い)です。
そのため、砂糖など歯を溶かす作用があるものの摂取回数が多いと、表面が簡単に溶け、あっという間にむし歯になってしまいます。
また、自覚できる症状が不明確で、初期の段階で発見することが難しいという問題もあります。
むし歯になってしまった場合は、まずは削って取り、材料で修復する治療をしますが、進行すると、神経を取る治療が必要になったり、最悪の場合永久歯に影響が出ないように抜歯をしなければならなくなったりすることもあります。
『むし歯になってもいずれ生え変わるんだからいいんじゃない?』と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし…乳歯には大事な役割があります。
もちろん、歯なので食べ物を噛むことができるようになり、栄養素の吸収を助けてくれます。 これだけではありません。
よく噛むことで顎が発達して顔の形も整います。 乳歯があることで舌を正しい位置に置けるようになり、正しい発音の機能も身に付きます。
そして、もう一つ大事な役割として、永久歯の生えてくるスペースを維持するという役割があります。
乳歯がなくなったり、大きく形が変わってしまったりすると、永久歯が生えるスペースが少なくなり、将来歯並びが悪くなったり、それが結果的に顎の発育に影響を及ぼすこともあります。
ネガティブなことも言いましたが…日々のブラッシング、歯医者さんでの定期的な検診を心がけていれば、もちろん予防をすることができます。
いずれ抜けるんだから、と乳歯を軽視するのではなく、大人になるための大切なステップとして日頃からの定期的な予防、早期発見・早期治療をしていきましょう!
何かわからないことや、知りたいことがありましたら気軽にご相談ください。