2021年03月23日
むし歯は誰が作っているのか。
こんにちは、歯科医師の菅原です。
そろそろ春になってきて少しずつあったかくなってきましたね。皆さんいかがお過ごしですか?
前回の続きで今回もむし歯は誰が作っているのかを説明していきます。
前回口の中の菌が歯の周りや歯茎に溜まって行くと、プラークやバイオフィルムを作り、そうすると悪さをし始める事を説明しました。
そこに糖分を与えると、菌が糖分を食べて酸を出し始めます。
ですがまだこの段階では弱い酸なのでそれほど歯は溶かされません。まずはプラークやバイオフィルム内にいる菌に影響を及ぼして行きます。
どんな事が起こるかと言うと、酸に弱い菌が減って酸に強い菌ばっかりになります。
酸に強い菌は酸が好きなのでどんどん酸を出します。
すると口腔内の菌の種類に変化が起きて環境が変化します。
こうなるとどんどん酸を溶かして歯を溶かしてむし歯を作ります。
こうなってしまうと口腔内の状態を改善するのは難しくなってきます。
現代では糖を摂取しないのはかなり難しいので、他の人と同じ食生活を送っていただけでもむし歯になります。
皆さんはむし歯は誰が作っているのか予想がつきましたか?
もちろん狭く言えば口の中の菌です。
ですが口の中の菌は皆さんに存在しているので、国民全員がむし歯じゃないと説明がつかなくなります。
なので、むし歯を作るのは自分自身口の中の認識や気持ちだと思います。
むし歯になりやすいからしょうがないと思っている患者さんがいれば当院で一度診察を受けてみてはいかがでしょうか?
尾島デンタルクリニックではむし歯のなりやすさの検査である唾液検査なども希望者に実施しています。
総合的にお口の中がどの程度むし歯に対してリスクがあるかを診断できます。
自分がどのくらいむし歯になりやすいかを知るだけでお口の中の悩みへの対応が見えてくるかもしれません。
興味がある方は是非当院のスタッフに遠慮なくお伝えください。
次回はむし歯をどうやって予防するかを説明していきます。
2021年03月18日
こんにちは、歯科医師の今野です。
先日、口腔機能発達不全症についての院内勉強会を行いました。
密にならないように3回に分けて行いましたが、希望者のみの参加にも関わらず、ほぼ全員のスタッフさんが参加してくれました。
このように皆が勉強熱心なところが、この歯科医院の本当に素晴らしいところだな、と感じています。
さて、その勉強会の内容ですが、
むし歯以外で子どものお口の健康の問題となっている様々な機能的な問題についてお話ししました。
たとえば
よく噛まない・早食いする
食べるのに時間がかかる
柔らかいものばかりを好んで食べる
お口がポカンと開いている…など
最近はこのようなお口の機能に問題のある子供が増えています
現代のお子さんは、スマートフォンやゲーム機で遊ぶことが増えたため、昔の子供がよくやっていたような、わらべ歌を歌いながらの手遊びやお顔をつかった「にらめっこ」など、お口や全身を使った遊びが減ってきています。
お口の機能を育む上で、上述のような遊びが重要になってきます。
また、スマートフォンやゲーム機で遊んでいるときの悪い姿勢もお口の機能に悪い影響を与えます。
お口の周りの筋肉のバランスが悪いと、歯並びやかみ合わせの問題を引き起こしたり、むせやすくなり、誤嚥・窒息しやすくなってしまいます。
適切な時期に適切な機能を獲得できるようにトレーニングが必要です。
私自身、子供の頃から食べるのが遅く、よく親に怒られてストレスになっていました。
食事の時の姿勢も悪く、食事のたびに指摘されていたのに治すことができず、歯並びやかみ合わせが悪くなってしまったので、大人になってからの矯正治療が必要になってしまいました。当時は気にならなかった歯並びも大人になるにつれて気になっていくものです。
あの時、ちゃんとお母さんの言うことを聞いて姿勢を正していれば、子供の頃からお口の機能を治していれば、と勉強するほどに後悔しています。
今の子供たちには自分のような後悔をしてほしくないので、子供のうちから歯並びを悪くするような悪い癖や姿勢を正し、お口の周りの不十分な筋力を鍛えるように指導しています。
子供は自分では自分のお口の状態が良いのか悪いのかわかりません。
早いうちから保護者の方が気づいてあげることが大切です。
何かお気づきのことがあれば一度受診していただき、ご相談ください。
2021年03月3日
みんなで目指そうむし歯博士
むし歯は誰がつくっているのか。その1
皆さんこんにちは。歯科医師の菅原です。
そろそろ花粉症の季節ですが、皆酸どのように過ごしていますか?
今回からむし歯について皆さんと勉強していきたいと思います。
むし歯は色々な年代の方々がかかる可能性がある、お口の中の病気です。
2018年のデータではむし歯になった事がある人は、小学生で45.3%、中学校35.41%、高校で45.3%で現在も減少していると言われています。
1980年台は90%以上の子供がむし歯だった事を考えると大分減ってきていますが、まだ各年代これだけの患者さんがいます。
こんなにも皆さんに知られている病気なのに、なんでなるのか、どうやった予防できるのか、またなぜ予防しなければならないのかはあまり知られていません。
「むし歯は歯医者さんに行けば治るからなってから行けば良いや」と思っている人に少しでも歯のむし歯について知っていただけると嬉しいです。
まず、むし歯はどのように出来ていくかです、口の中の菌が大きく関わっています。
口の中には無数の菌が存在します。
人間は歯が生える前は口の中にほとんど存在しませんが、歯が生えるにつれて口の中に菌が住み始めます。
口の中の菌は普段はそんなに悪さしません。
なぜかと言うと、菌は色々な種類の菌が数多く絡む事で悪さをします。
口の中にいる菌は歯の表面や歯茎などについています。
歯磨きをしないとどんどん菌が積み重なり、色々な菌の集合体を作ります。これがプラークと言ったりバイオフィルムと言ったりするものになります。
すると口の中の菌は悪さをし始めます。
特に糖が口の中に入る事で菌たちが歯を溶かす酸を発生させます。
なので重要なことはプラークやバイオフィルムを毎日の歯磨きで除去し続ける事が大切になってきます。
本日はここまでです。
次回はプラークなどがどうやってむし歯を作っていくかを見ていきたいと思います。
尾島デンタルクリニックでは患者さんのお口にあった、清掃器具や歯磨き粉を提案させてもらい、しっかりプラークなどを除去する方法を提案させてもらいます。
何か質問があったら当院のスタッツに遠慮なくお伝えください。