噛みんぐ30(カミングさんまる)運動
2019年05月26日
こんにちは。
食べることが大好きな歯科医師の今野です。
みなさんは「噛みんぐ30(カミングさんまる)運動」をご存じですか?
これは厚生労働省の提唱している運動で、一口30回以上噛むことを目標としています。
30回というのは、窒息防止や五感での味わいを考慮し、従来から噛む回数の目安とされています。私も幼い頃、母に「30回噛みなさい!」と育てられたものです。
しっかり噛んでものを食べることでたくさんの良いことがあります。
①左右の歯でバランスよく噛むと、唾液がよく出るので、汚れが付きにくくなります。
②よく噛むことは消化吸収を助けます
③ホルモン分泌が高まり、食欲が抑えられます。
④ゆっくり味わうことでうす味・少量でも満足感が得られます
⑤高齢者の方やお子様では特に、窒息予防になります。
⑥よく噛むことは脳の広い範囲が活動する運動であることから、脳の活性化になります
⓻心の満足度が得られストレス防止になります。
じっくり噛むことは食べ過ぎを抑制するだけでなく、噛むことによって得られる満腹感は、満足感をもたらしてくれるので、リバウンド防止にもつながると言われてます。
近年、欧米型の食品の普及により、やわらかい食品が日本人に好まれるようになりました。そのような食により、次第に噛む回数も減りつつあるようです。
一方で、玄米や雑穀は食物繊維やミネラルが豊富で、健康に有益であると年々評価が高まっています。雑穀や大豆、野菜を用いた伝統的な日本食は、咀嚼回数が自然と増える健康食です。
健康な歯を保って、歯ごたえのある日本食を楽しくじっくり味わい、みんなで健康になりましょう。
ここで、「だらだら食べはむし歯になると聞いたけど…?」と思った方、おっしゃる通りです。
グミやキャラメルなどをいつも口に入れているようだとむし歯になってしまいますね。何でもゆっくり食べればよいという訳ではありません。
来月は、むし歯になりやすい食べ物・食べ方についてお話します。
ここまで読んでくださってありがとうございました。