歯をぶつけた
2020年03月13日
こんにちは、歯科医師の今野です。
感染症の騒がれる今日この頃ですが、みなさんは体調いかがでしょうか。
寒い時期なので、凍結や雨で転ばないよう、足元にも気を付けましょう。
さて、今日はこどもの急患で多い
「歯をぶつけた」時の対処法についてお話します。
転んでぶつける部位で圧倒的に多いのが上の前歯ですが、ぶつけた度合いによって
1、歯の位置がずれている
2、歯が欠けている
3、歯の色が変わっている
4、歯茎が腫れている
5、歯がなくなっている
6、歯がかみ合わなくなっている
7、歯が動いている
8、かむと痛みがある
といった症状が見られます。
そのなかでもよく見られるのが「歯の変色」であり、外傷を受けた乳歯は赤色、褐色、灰色といった色を呈します。
これらの色は歯髄、という歯の中にある神経や血管の集まる部位における出血や壊死が原因です。
薄褐色や黄色程度の着色で膿瘍や痛みがないときは変色が減退して元の色に戻り、次に生えてくる永久歯にも影響が出ないことも少なくありません。
ですが、黒変化が進んだときには神経が死んでしまっており、次に生えてくる永久歯にも影響が出ることがあるので注意が必要です。
このような場合の永久歯への影響としては、
1、生える位置の異常
2、生えてこなくなる(埋伏)
3、白斑や形成不全を生じる
などがありますので、外傷を受けた乳歯の生え変わりの歯が生えてくるまでは定期的な経過観察が必要です。
このように、軽い外傷に見えても受傷後は歯科医院を受診して経過観察を受けるようにしましょう。